中小企業診断士の前身は、昭和27年に創設された中小企業診断員登録制度です。
昭和38年には、中小企業指導法が制定され、中小企業診断員の法的立場が明確化されます。この当時は、「国や都道府県が行う中小企業指導事業に協力する者」とされていました。 次第に経営技術が高度化するにつれ、経営の専門家への相談ニーズが高まってきました。中小企業診断員の名称が中小企業診断士(以下、診断士)に変わったのは、昭和44年のこと。
平成に入り、中小企業支援法が制定され、診断士の立ち位置が変わります。以後、診断士は「中小企業の経営診断の業務に従事する者」となり、単なる協力者ではなく、独立した地位を与えられたコンサルタントの色合いを濃くしました。
中小企業診断士は、公認会計士や税理士、社会保険労務士などと異なり、独占業務を持ちません。その分業務の自由度は高いですが、他人より秀でた経験や能力がなければ埋もれてしまう危険性が高い資格です。
では、現役の診断士はどのような仕事をしているのでしょうか?
マーケティング力や営業力を活かし、独占業務の隙間を突いて「マーケティングコンサルタント」や「営業コンサルタント」を名乗る診断士や社員研修業務(接遇やマナーなど)に特化した診断士もいます。税務や労務などの独占業務は他の専門家に任せ、それ以外の業務を受注するといったイメージです。
診断士資格を取得するメリットは、主に2つあります。ひとつは、社長目線が身につき会話に深みが出ることにより、顧客の信頼を得やすくなること。もうひとつは、社内で一目置かれる存在になることです。
診断士は企業経営理論や財務会計のみならず経営情報システムなども試験範囲となっており、ビジネスに関する知識を網羅することが可能です。時代の流れが早い現在においてはさまざまな知識を持っていないと判断に苦しむ場面が増えています。
特に中小企業の社長と商談する場面が多い方は、資格が威力を発揮します。なぜなら、中小企業の社長の多くが診断士資格を認知しているからです。中小企業の社長はあらゆる業務を経験している方が多数派ですから、社長目線が身につく診断士資格があれば商談を有利に進めることが可能となります。
診断士になるには、1次試験だけでなく2次試験を突破しなくてはなりません。取得まで3~5年かかることもザラにあります。その難関を乗り越え、取得に至った際は、社内で一目置かれる存在になることでしょう。これがきっかけで、希望部署に異動になるケースもあります。診断士資格に報奨金を出している会社もあり、多くの企業で取得を推奨しています。
このように診断士資格は、社内での地位向上はもちろん中小企業の社長と対等に会話するチャンスを得るために有効な資格となっています。
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